Introduction
現在から20数年後の地球――創聖紀0011年。11年前に起きた大異変により、人類はその2/3の人口を失っていた。
その大異変によって南極の氷が溶解し、1万2千年前に滅びたはずのアトランディアが出現、“堕天翅族”が蘇ったのである。
堕天翅族は頭や背中など、体の一部に羽状器官を有し、人類達より遥かに高度な知覚や特殊能力をもつ者たちである。
彼らは、1万2千年以上前、アトランディアの地に高度な文明を築き、
人間たちを“羽なし”と呼び、捕獲してその生体エネルギー"プラーナ"を摂取していた。
しかし、1万2千年前、堕天翅族の最強の守護天翅アポロニアスが、人類の女戦士セリアンと恋に落ち、堕天翅族を裏切る。
アポロニアスは人類と共に“機械天使アクエリオン”に乗り込んで戦い、アトランディアは滅亡へと追い込まれたといわれていた。
これは「楽園崩壊」と呼ばれている。
アトランディアは上下がさかさまの美しい街で、その周囲の農場や中心にある“生命の樹”には収獲された人類が植えられ、
そのプラーナは堕天翅族の翅に吸収されていく。
蘇った堕天翅族に対抗するため、新国連は大異変後に
特殊機関、地球再生機構ディーバ〔DEAVA―Division
of EArth Vitalization Advancement〕を設立。
ディーバは、かつて堕天翅族を滅亡へ追い込んだとされる伝説の兵器“機械天使アクエリオン”を運用するため、
“エレメント”と呼ばれる少年少女たちを各地から集め、搭乗者となるべく特訓を行っていた。
“エレメント”とは、大異変後の電磁場変化によって特異な能力が呼び覚まされた者たちである。
彼らはその生体フィールドによって堕天翅族の催眠攻撃から身を守ることができた。
その中でも特にアクエリオンの搭乗者は鋭敏な五感や純真な魂が要求されるため、
10代半ばの少年少女たちがパイロットとして集められたのである。 |